最高裁判所第一小法廷 昭和32(テ)21 判決
主 文
本件特別上告を棄却する。
特別上告費用は特別上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士戸毛亮蔵の上告理由第一点について。
しかし、原判決を精査するも原審は第二審裁判所が所論にいう、架空の事実に基
いて加えた事実認定をそのまま維持したものとは認められず、所論違憲の主張はそ
の前提を欠き採るを得ない。
同第二点について。
しかし、上告裁判所は事件につき口頭弁論を開くことを命じ、その期日を指定し
た場合であつても、上告状上告理由書答弁書その他の書類により上告が理由がない
と認めるときは、右の裁判を取消した上で(民訴二〇五条参照)、口頭弁論を経る
ことなく判決を以て上告を棄却することができることは民訴四〇一条の趣旨に照し
明らかであり、そして本件記録に徴すれば、原審は本件につき口頭弁論を開くこと
を命じその期日を所論のように指定したが、その後右を取消し口頭弁論をへないま
まで民訴四〇一条に従い原判決を言渡したものであることが窺われるのであるから
原審の措置には何ら違法のかどありと云うを得ない。
所論は違憲をいうが、その実質は上告裁判所が一旦口頭弁論を命じた以上は必ず
弁論終結の措置をへて判決言渡をなすべきであるとの叙上と反対の見解に立つて原
判決に訴訟法違反の欠点があるという主張に帰するものであつて上告適法の理由と
なすを得ない。
よつて、民訴四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一
致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
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裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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